
三重県伊勢市にある伊勢神宮は、古くから「お伊勢さん」「大神宮さま」と親しまれ、日本人の心のふるさととも称される場所です。正式名称は地名を冠さない「神宮」。実は伊勢神宮は一つのお社ではなく、内宮(ないくう)・外宮(げくう)を中心とする125の宮社(ぐうしゃ)の総称です。
内宮の正式名称は皇大神宮(こうたいじんぐう)。太陽にもたとえられる皇室のご祖先神・天照大御神(あまてらすおおみかみ)をお祀りしています。約2000年前、各地を巡られた末にこの五十鈴川(いすずがわ)のほとりに鎮座されたと伝えられています。
外宮の正式名称は豊受大神宮(とようけだいじんぐう)。衣食住をはじめとする産業の守り神・豊受大御神(とようけのおおみかみ)をお祀りしています。天照大御神のお食事を司る御饌(みけ)の神として、約1500年前にお迎えされたと伝えられています。
古来の習わしでは、まず外宮を参拝し、その後に内宮へ向かうのが正式とされています。「外宮先祭(げくうせんさい)」といって、神宮の祭事も外宮から行われます。はじめて参拝される方は、ぜひこの順序を意識してみてください。
伊勢神宮は、特定の願い事をする「祈願」の場というより、日々を無事に過ごせていることへの感謝を捧げる場とされています。広大な神域に足を踏み入れると、樹齢数百年の木々と清流に包まれ、心が自然と静まっていくのを感じられるはずです。