「庭作り〜御用材をおあずかりして〜」|式年遷宮の技と祈りに触れた一日|ニュース|常磐会(ときわかい)
「庭作り〜御用材をおあずかりして〜」|式年遷宮の技と祈りに触れた一日
活動の記録式年遷宮講演会学びの記録

「庭作り〜御用材をおあずかりして〜」|式年遷宮の技と祈りに触れた一日

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2026年6月14日

2026年6月13日、東京・渋谷の國學院大學で開かれた、神道文化会の公開講演会に参加してまいりました。テーマは「第六十三回神宮式年遷宮 庭作り〜御用材をおあずかりして〜」。常磐会がお木曳をはじめ式年遷宮にまつわる行事に関わってきたご縁もあり、メンバー一同、楽しみにしていた一日でした。

御殿の造営と、御用材のお話

前半は、元神宮技師の西村勝典先生から「殿舎の造営工事について」、後半は、神宮参事・神宮広報室次長の音羽悟先生から「御木曳行事の沿革」を中心に、お話を伺いました。司会は皇學館大学名誉教授の櫻井治男先生。いずれも、実際に遷宮の現場に身を置いてこられた方ならではの、重みのある言葉ばかりでした。

とりわけ心に残ったのは、社殿づくりに込められた職人の知恵です。伊勢の正殿は、礎石を使わず地面に直接柱を立てる「掘立柱(ほったてばしら)」という古い形式。お話によれば、木が乾いて縮むことまで見越して、あらかじめ柱と桁の間にわずかな隙間を設けておくのだそうです。建てた時には開いていた隙間が、20年の歳月をかけてちょうど縮んでいくのだとか。20年という遷宮の周期そのものが、木の声に耳を澄ませた先人の知恵に支えられているのだと知り、深く感じ入りました。

「新しくし続ける」という伝統

式年遷宮は、ただ古い建物を新しくする営みではありません。古代から続く「唯一神明造(ゆいいつしんめいづくり)」の様式を寸分違わず受け継ぎ、それを支える職人の技を、20年ごとに次の世代へと確実に手渡していく――技術の伝承そのものが、遷宮の核心にあるのだと、お話を伺ってあらためて腑に落ちました。

常に新しくあり続けることで、かえって永遠の生命力を保つ。この「常若(とこわか)」の考え方は、まさに常磐会が大切にしてきたものと重なります。変わらないために、変わり続ける。その逆説的な知恵が、1300年ものあいだ途切れることなく受け継がれてきたことに、あらためて背筋の伸びる思いでした。

学びを、次の世代へ

会場には、私たち常磐会のメンバーも多世代で参加し、講演のあとには感想を語り合いました。書物で読むのとはまったく違う、現場を知る方の言葉の手ざわり。こうした学びの機会に身を置けることのありがたさを、あらためて噛みしめています。

常磐会は、伊勢を拠点に、日本の伝統文化の継承と若い世代の育成を目指す会です。今回学んだ式年遷宮の技と祈りを、私たち自身の活動を通じて、また次の世代へと手渡していけるよう、これからも一歩ずつ歩んでまいります。学びと体験の場に、ぜひ皆さまもご一緒ください。