
伊勢神宮の中心となるのが、内宮(ないくう)と外宮(げくう)という二つの正宮です。同じ「神宮」の一部でありながら、祀られる神さまも、たたずまいも異なります。それぞれの違いを知っておくと、参拝がいっそう味わい深いものになります。
内宮の正式名称は皇大神宮(こうたいじんぐう)。皇室のご祖先であり、私たち国民の総氏神ともいわれる天照大御神(あまてらすおおみかみ)をお祀りしています。五十鈴川にかかる宇治橋を渡り、玉砂利の参道を進むと、深い森の奥に荘厳な正宮が現れます。別宮の荒祭宮(あらまつりのみや)や、五十鈴川の御手洗場も内宮の見どころです。
外宮の正式名称は豊受大神宮(とようけだいじんぐう)。天照大御神のお食事を司る御饌都神(みけつかみ)・豊受大御神(とようけのおおみかみ)をお祀りし、衣食住をはじめ産業全般の守り神として崇敬されています。正宮のほか、別宮で最も格の高い多賀宮(たかのみや)、そして式年遷宮について学べる博物館「せんぐう館」も見逃せません。
内宮と外宮はおよそ4kmほど離れており、その間を路線バスが結んでいます。古くからの習わしでは、まず外宮を参拝し、それから内宮へ向かう「外宮先祭(げくうせんさい)」の順がよいとされています。これは外宮の豊受大御神が、天照大御神に神饌(しんせん)を供える役割を担う神さまであることに由来すると伝えられます。
二つのお宮をゆっくり巡れば、半日から一日。それぞれの森の空気の違いを感じながら、伊勢の祈りの全体像に触れてみてください。