
伊勢神宮では、年間およそ1500回もの祭り(恒例祭典)が営まれていることをご存じでしょうか。毎日朝夕、神さまに食事を供える日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)をはじめ、季節ごとに大小さまざまな祭りが、千数百年にわたり絶えることなく続けられてきました。
数ある祭りのなかで最も重要とされるのが、毎年10月に行われる神嘗祭(かんなめさい)です。その年に収穫されたばかりの新穀を、まず天照大御神に捧げ、ご恵みに感謝するお祭りです。米を主食として生きてきた日本人にとって、新穀への感謝は祈りの核心ともいえるもの。神嘗祭は「神宮の正月」とも呼ばれ、社殿の装束や祭具もこの時期に新しくあらためられます。
神嘗祭と、6月・12月の月次祭(つきなみさい)を合わせて「三節祭」と呼び、神宮で最も由緒深い祭りとされています。月次祭は、夜の闇のなか、午後10時と午前2時という深い時刻に厳かに営まれます。また、春には五穀豊穣を祈る祈年祭(きねんさい)も行われます。
私たちが朔日詣りで早朝の神宮を訪れるとき、そこには日々絶えることなく捧げられてきた祈りの積み重ねがあります。神宮の祭りの存在を知ると、参拝のひとときがより深いものに感じられるはずです。