
内宮の参道を進むと、右手に清らかな川辺が開けます。これが五十鈴川(いすずがわ)の御手洗場(みたらし)です。古くからこの地では、手水舎ではなく、五十鈴川の澄んだ流れで手を清めてからお参りする習わしが受け継がれてきました。
石畳に膝をつき、冷たく澄んだ川の水に指先を浸すと、自然と背筋が伸び、心まで洗われるような感覚になります。神域を流れる川そのもので身を清めるこの体験は、伊勢神宮ならではのもの。せせらぎの音を聴きながら、しばし静かな時間を過ごしてみてください。
現在の石畳の御手洗場は、徳川綱吉の生母・桂昌院(けいしょういん)が寄進したものといわれています。三百年以上にわたり、数えきれない人々がこの場所で身を清め、お参りしてきました。
雨の後など水量が多いときは無理をせず、参道の手水舎を利用してください。清流に触れるひとときは、伊勢の自然と祈りが一つに溶け合う、忘れがたい時間になるはずです。