8月の朔日餅は「八朔粟餅」|初穂を供える八朔参宮と、お中元のはじまり|ニュース|常磐会(ときわかい)
8月の朔日餅は「八朔粟餅」|初穂を供える八朔参宮と、お中元のはじまり
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8月の朔日餅は「八朔粟餅」|初穂を供える八朔参宮と、お中元のはじまり

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2026年9月22日

伊勢には、毎月1日の早朝に神宮へ参り、ひと月の無事に感謝して新しい月の平安を祈る「朔日詣り」の習わしがあります。8月1日の朝も、暑さを避けるように夜明け前から人が集まります。

8月の朔日餅は「八朔粟餅」

8月1日に並ぶ朔日餅は「八朔粟餅」です。粒を残して作った粟餅に、昔ながらの黒糖味の餡をのせています。粟のつぶつぶとした歯ざわりと、黒糖のこくのある甘みが重なる一品です。

粟(アワ)。米とならぶ五穀のひとつで、八朔には米とともに初穂が神前に供えられました(写真: STRONGlk7 / Wikimedia Commons, CC BY-SA 3.0)
粟(アワ)。米とならぶ五穀のひとつで、八朔には米とともに初穂が神前に供えられました(写真: STRONGlk7 / Wikimedia Commons, CC BY-SA 3.0)

「八朔」とは

「八朔(はっさく)」は旧暦八月朔日、つまり八月一日を指す言葉です。この日には、その年に実った新穀を贈り合って祝う習わしがありました。稲すなわち「田の実」を祝う日であることから「田の実(たのみ)の節句」と呼ばれます。赤福は「たのもの節句」とも紹介しています。

人から人へ実りを贈り合うこの風習は、夏の贈答の習わしであるお中元に連なるともいわれます。ただしお中元そのものは道教の三元や盂蘭盆会に由来するとされ、八朔がその起源と決まっているわけではありません。

米と粟の初穂を、神前に

伊勢では、五穀のうち米や粟の初穂を神前に供え、豊穣を祈りました。八月一日の参宮はとりわけ「八朔参宮」と呼ばれます。『宇治山田市史』下巻(昭和4年刊)は、農家が米粟などの初穂を抜いて神前に供え五穀成就を祈ったこと、そして「この日八朔の粟餅とて、いづれも之を食う習もあったものである」と記しています。八朔粟餅は、その記憶を受け継ぐ菓子です。

内宮・宇治橋。朔日詣りの入口でもある橋です(写真: MaedaAkihiko / Wikimedia Commons, CC0)
内宮・宇治橋。朔日詣りの入口でもある橋です(写真: MaedaAkihiko / Wikimedia Commons, CC0)

初穂を神前に供えるという営みは、10月の神嘗祭にも通じます。その年の新穀をはじめに天照大御神に捧げる、神宮で最も古い由緒をもつ祭りです。実りを祈る8月から、実りを祝う9月の「萩の餅」へ。朔日餅は、伊勢の一年の流れをそのまま映しています。

朔日餅のはじまり

朔日餅は、朔日詣りの参拝客をもてなそうと、赤福が昭和53年(1978年)2月に売り出した月替わりの餅菓子です。お正月を除く毎月1日だけ、2月から12月まで11種類が順にめぐります。消費期限は当日限りで、その日のうちにいただく味です。

常磐会は、伊勢を拠点に、日本の伝統文化の継承と若い世代の育成を目指す会です。毎月の一品をたどることが、そのまま伊勢の暦をたどることになります。

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